妊娠して奪われたものとは

妊娠は幸せなことだ。

赤ちゃんが健康に健やかにお腹の中で育っているの何よりだ。

妊婦は母性が目覚めてお腹の赤ちゃんが愛しくてお腹をさすさすしている。

身ごもるとお母さんの顔になって優しいオーラが出てくる

私もなんとなくそんなイメージがあった。あったのに。

 

一人の女性として、経済的に自立して男性と肩を並べてバリバリ仕事をしてきて、仕事の面で女性として不公平を感じることはあっても、どこまでも私個人のことだと思っていました。

でもなぜか、妊娠してバッグに”赤ちゃんがいます”のマタニティマークを付けるようになってから。周りに妊娠を伝えてから。お腹が大きくなってきて周りから見て妊娠をしていると明らかにわかる頃から。自分という個人が消えてしまって、妊婦というよくわからないカテゴリーの生物になってしまった気がして、すごく戸惑いました。

 

妊娠をしてから、あれよあれよとつわりが始まり、形容し難い辛さに苦しんで、自分の明日の体調もわからないし、いつ終わるのか、いつ元の体調のいい状態に戻れるのかも全くわからない暗闇の日々が続きました。

同僚や会う人に「体調はどうですか」と必ず聞かれるので、「これこれこうで、本当に辛くて…」みたいに答えると、必ず「赤ちゃんは順調なんでしょう?」と聞きかえされました。「それはそうなんですけど…」と答えると「それは何よりですね!良かった!」と勝手に結論づけられるんですよね。

そう聞いてくる人も別に悪気はないんでしょうけど、私という個人が辛いことは殆どの場合スルーされて、赤ちゃんが順調であればそれが全てといった風になることにひどく違和感を感じました。

自分がお腹の子に占領されるような、自分が透明になってしまったようなそんな感じ。お腹の子を守るためなら、順調に生かすためなら、外側の人間の辛さはどうでもいい、耐える以外にない。妊婦なら、母親なら当然耐えて当然、赤ちゃんの喜びが外側の人間の喜び、赤ちゃんの健康が外側の人間の健康。そこに境界はまったくないんですよ…。

 

そりゃあ、赤ちゃんが順調なのはすごく嬉しいことで、つわりの期間、お腹の子がモキュモキュ動くエコー映像に何度胸を熱くしたか、支えられたか知れません。でも、それで毎日の体調不良や吐き気がゼロになるわけではなく、辛いもんは辛いんですよ。全然別の話で、両立するんですよね…。

これって、母性神話の一種なんじゃないかなあと思います。ものすごく無意識にまわりから受けるほんの小さなことではあるんですけど、千と千尋の神隠しで湯婆婆が「今日からお前は千だ」と千尋の名前を奪う場面のような感じです。

 

「みどりというのかい?贅沢な名だね。今からお前の名前は母親だ。いいかい、母親だよ。分かったら返事をするんだ、母親!」

つわり備忘録

妊娠して、出産しました。書くとそれだけのことなのに、本当に色んな気持ちになった約一年でした。

つわりの症状

5週~11週  つわり第一波期

私はつわりが非常に重いタイプでした。つわりの辛さは想像を絶していました。今まで生きてきた中で一番つらかった3ヶ月間でした。

妊娠検査薬で妊娠がわかった前後から耐えられない眠気がありました。その後、産婦人科で妊娠が確定した直後から、いきなりきつい吐き気に襲われました。もういまにも吐く直前、みたいな気持ちの悪さがあるけれど、なかなか吐けない。いきなり気持ち悪さマックスで、ベッドから起き上がれなくなり、仕事を休みました。

つわりには色んな種類があると言われていて、ニオイづわり、吐きづわり、食べづわり、よだれづわりなど。なんとなくこれのどれかになるようなイメージでいたけれど、私は日替わりで毎日いろんな症状が出ました。

一番きつかったのはニオイ。ドラマとかで、ある日ご飯がたけた直後の炊飯器を開けて「うっ」となりトイレに駆け込むシーンがありますけど、私の場合、特定のなにかのニオイがだめになるのではなく、すべてのニオイがボリューム500倍になって襲ってくる感じで、全て吐き気を催すわけです。

ベッドがある部屋から出られなくなり、トイレはどうしようもないから行くしかないのですが、寝室からトイレに行くためにはキッチンのある居間を通って、階段をのぼらねばならないのです。寝室で大きく息を吸ったあと息を止めてそのまま走ってトイレに駆け込んでいました。その間に少しでも他のニオイを吸おうものなら、たちまち吐き気に襲われ吐いてしまうのです。毎回、トイレに行くのが恐怖でした。

そんな状態だったので、お風呂もシャワーも毎日はできませんでした。お風呂場はニオイのするものがごっそりあるからです。ほんのちょっとでも調子が良いときに隙を見てシャワーしていましたが、ひどいときは1週間に1度入れればいいレベルでした。そんな状態だと、垢がめっちゃ溜まって石鹸で洗っても洗っても落ちなくなって、体が全身油の膜で覆われているようで、ずっと不快でした。

 

ニオイが要因で吐くというのだけではなくて、吐きづわりもひどく、胃に入っているものは全て吐くし、胃に入っていないときも胃液を吐き(酸っぱい)、胆汁を吐き(苦い)、吐きすぎて喉がおかしくなって、吐くものに血が混じって来たときは流石に命の危険を感じました。

 

一日中ベッドに横になっているなら、スマホでネットフリックスでも見てればいいじゃんって思うじゃないですか。しかし、スマホ見れないのです。動画を見るだけで酔って具合悪くなる。画面を眺めていられない。漫画も読めないし、活字も追えない。音楽もラジオもポッドキャストも全く聞く気になれなくて、何もできず、ひたすら暗い寝室で横になっているしかなくて、一日が途方もなく長く感じました。一番つらかったのは夜です。昼間寝ている分、夜まとまった時間眠れなくて、夜中に目が覚めてしまうとなかなか寝付けず夜が長くて、夜が来るのが本当に怖かったです。

最後の方は、毎日5,6回以上吐くようになって、食べ物はおろか、飲み物を飲んでも吐くようになってしまい、ほんとに死ぬんじゃないかって怖くなって、病院に電話したら「すぐ来て点滴しろ」と言われて、点滴を受けた事もありました。体重は8キロ減り、ケトン体もプラスになり、妊娠悪阻と診断されました。(妊娠は病気ではないですが、妊娠悪阻はれっきとした病気だそうです)

12~14週 ほんのり調子良くなる

ほんのり調子良くなり、1ヶ月半ぶりに料理もできるようになり、少しずつ食べられるようになって来た時期。2日に一回は吐いていました。仕事も復帰、なかなか一日椅子に座っていることもできない状態でしたが、なんとか在宅で仕事をしていました。

15~18週 つわり第二波

仕事を再開して知らず知らず疲れが溜まっていっていたのか、一旦良くなったと思った症状がどんどん悪くなり、また水も飲めないような症状がではじめました。食べるけれど直後に吐く、仕事以外のことはほとんど何もできないようになってしまい、病院に電話して2度目の点滴を受けました。

それから徐々に徐々に回復し、普通に仕事が8時間できるようになったのは6ヶ月(20週)を超えたあたりだったと思います。

仕事とつわりと自尊心

とても仕事などできる状態ではなく、最初の一ヶ月は欠勤、次の一ヶ月は妊娠悪阻の母健カード(診断書みたいなもの)を書いてもらって休職しました。今から考えると、本当に毎日これまでに感じたことのないような辛さだったにも関わらず、仕事ができない自分は甘えているんじゃないのか、とか、他の妊婦さんは働いているのに、とか、そういうことをよく考えて暗い気持ちになっていました。

職場で妊娠初期にそんなに長く休んでいる人を認識したことがなかったし、みんな普通に働いているように見えたから、妊娠したって仕事は普通にできると思い込んでいたんですね。(つわりは妊娠初期の症状だから、そもそも辛くてもおおっぴらにできないから周りの人は認識できないのは当然のことでしょう、今考えれば)仕事はもちろん、殆どの生活が全てできなくなり、ベッドの上でただただ横になっている日々は自尊心をガンガン削っていきました。

急に変わって全くコントロールの効かない体の調子、いつ終わるかわからない気分の悪さ、どんどん弱気になっていました。最初の頃はよく泣いていたけれど、途中から涙も出なくなってきて、とにかく、無、本当にただただ時間がすぎるのを待っているだけでした。自分が自分じゃないみたいで本当に辛かったです。

2ヶ月はほとんど寝たきりで、体重もみるみる減っていったので、体力もなくなって、近くのコンビニに行くこともできなくなり、体力がそこそこになるまで2ヶ月以上かかりました。妊娠後期には犬の散歩に毎日行けるまでに回復しましたが、体力がないと仕事もそれ以外のこともできなくなってしまうので、それも自己肯定感を爆下げ舌要因になりました。

つわりと夫

夫は本当に一生懸命寄り添ってくれました。何か食べたいといえば暑い中一日に何度も何度もコンビニに買いに行ってくれましたし、今まで剥いたことのない梨を切って持ってきてくれたり、トマトを切ってタッパーに入れて冷蔵庫にいれておいてくれたりしました。本当に尊敬したのは、私の吐いたものの処理をホイホイといつもやってくれていたことでした。気持ち悪かっただろうに、夫には一生頭が上がらないな、と思いました。

夜、辛いときには何度も「もう妊娠をやめたい、死にたい」とこぼしていたのですが、夫は毎日うんうんと聞いてくれ、毎日肩と背中、両足のマッサージをしてくれるようになりました。つわりで心身ともに本当に辛いとき、寝る前のマッサージは私の心のほとんど唯一の支えでした。寝る前のマッサージはその後出産前まで私達夫婦の日課になり、妊娠期間中を支え続けてくれました。

妊娠は病気じゃないけどさ

妊娠もつわりも病気ではありません。病気ではないからこそなのか、病気のように研究は進んでおらず、確実に楽になる薬も存在しません。しかも、個人差が大きく、全くつわりもない人もいれば、生まれるまでひどい状況が続く人もいます。つわりだけでなく、切迫流産や切迫早産で長期入院する人もいます。

そういった目立った症状がなくても、疲れやすくなり、ホルモンのせいで精神的に不安定になりますし、体もどんどん変わっていくことに戸惑います。子育ては誰か変わってくれるし協力もしてもらえるけれど、妊娠は誰も代わってくれないんですよね。自分の食べたもの、したこと、精神状態がダイレクトに腹の子の成長に関わってくるというプレッシャーは想像を遥かに超えていました。それに加えて、酒、なまもの(生魚全般、生の魚卵、ローストビーフやユッケ等の生肉)、ナチュラルチーズ等々の食事の制限も地味にストレスでした。加えてこのコロナ禍。本当に孤独で辛い妊娠生活でした。なんか、妊婦さんってゆったりのんびり、お腹をなでながら子供の未来に思いを馳せて、幸せいっぱいってイメージでしたけど、こんな修羅ランドだとはホント思わなかったです。

2021今年の振り返りと来年の目標

2021の振り返り

1月 転職、毎日わからない、できない、がたまりまくる

2月 引き続き会社に慣れるので精一杯だが、リモートワークは快適

3月 あまり記憶がないけど、記録によるとインナーカラーを入れて攻撃的な仕事スタイルに変えたようだ。副業も正式に開始。

4月 職位がアシスタントエンジニアからエンジニアになり、実質上昇格

5月 何もしないGW、その後5月病のような感じになり、激しく落ち込む。咳喘息にもなり色々辛かった。

6月 仕事が調子に乗る。仕事は正式に2ランクアップ。年収もガツンと上がる。

7月 妊娠がわかる。すぐにつわりが始まり、会社を休む

8月 妊娠悪阻と診断。休職。吐きまくり何も飲食できなくなり、8キロ体重が落ちる。

9月 つわりがほんの少し落ち着き復職。体力がなかなか戻らず、座っているだけで精一杯

10月 つわりが落ちつき、外食もできるようになる。仕事も少しずつ調子に乗る

11月 初出社して、チームで初めてランチを食べる。

12月 お腹が大きくなり、各種マイナートラブル腰痛に悩まされる。

 

ベスト3

・妊娠

留学も終わり、転職もして、次は子供だな…とは考えていて、そもそも妊娠できるんかな…?と思っているところに、やってきたびっくり&ビッグニュースでした。正常妊娠で心拍が確認できたときは、診察室でじわっと涙が出るほど嬉しかったです。つわりで最悪の体調が続いたときでも、母体にお構いなく正常に育っていく小さな命に勇気づけられていました。来年、無事に生まれてくれば、私達夫婦の生活や人生が大きく変わる年になりそうです。これから1月中旬には産休に入り、出産育児の準備、保活等々やること山積み、不安も多いですが、人生の大仕事楽しみたいなと思っています。

・転職

転職に伴うストレスにビビっていましたが、緊急事態宣言ということもあってフルリモートでの働き方は非常に自分をコントロールしやすく、とても向いていました。また、入社以来非常に尊重してもらえている実感があり、前職で女性として技術職で働くことに打ちのめされていたので、より尊重してもらえる環境で働くことで少しずつ癒やされ、自信もついていきました。妊娠、つわりでの休職についても、一つも嫌味を言われたりすることもなく、祝福とともに非常に柔軟に対応していただけました。産休育休を取らせてもらい、復職して、更に組織に貢献できるようになりたいと思っています。

・昇格、昇給

転職した時点ではアシスタントエンジニアという職種で入社しました。実際その職種に対して特に長い経歴があったわけでもなかったので、年収の提示もそんなもんかな、と思っていました。前職よりも高かったし。でも、アシスタントっていう職種はできるだけ早く外したかった。アシスタント、という職種で働いていると、周りが私をアシスタントとして扱うんですよね。自分でもアシスタントとして誰かをアシストすることに充填を置き始めそうになったので、これはあかん、と思いそこから仕事へ対するスタンスを大きく変えました。そのかいもあって、入って半年でランクが2つ上がり、年収もぐんとアップしました。そのように評価してもらったことには本当に感謝していますし、大きなモチベーションになりました。

 

ワースト3

・つわり

妊娠はとてもハッピーな出来事でしたが、とにかくつわりがきつかった。今年は夏がすべてつわりで潰れました。つわりの中でも特に重い妊娠悪阻と診断され、何度か点滴似病院に通いました。ずっと船酔い、ずっと重い二日酔い、ベッドから動けず、スマホもまともに見られず、本も読めない、食べたら吐く、食べなくても吐く、天井を見つめて長い夜を過ごした日々は、本気で今までで最も長く辛い2ヶ月半でした。ひどいつわりが去ってからも、体は妊娠前のような普通の日はなくて、日々胃腸はなんとなく不快でやたら疲れやすい日々を過ごしています。妊娠は本当に大変なことなんだなあ、としみじみ実感しています。

・コロナ緊急事態宣言

関東では計半年緊急事態宣言が出ていました。ワクチン接種が終わるまで外出もほとんどしていませんでしたし、実際外にご飯に行ったところでビールが飲めないというのは、ビール大好きな私達夫婦にはなんのための外食か、という感じでした。当然、好きな旅行も大手を振ってできるわけでもなく、内向的で出不精な私でも流石にストレスがかかりました。

・咳喘息

5月、GWに風邪を引いて寝込んでから、それがきっかけになって咳喘息を発症しました。息ができなくなるような激しい咳込みが続き、吸入で徐々に回復していったものの、本当に苦しかったです。昔から年に一度くらい席が止まらなくなっていたのも多分咳喘息だったと思うのですが、今回は病院で正式に診断を受けることができて治療もできたので良かったです。あとは、このご時世、咳をしていると非常に肩身が狭いので、電車の中で発作が出たりすると周りの目が厳しくて、それも結構辛かったです。

 

来年の目標は「いのちだいじに」です。もうアラフォーなので、無理は禁物、何にでも課金して、自分の体と命を健やかに保って、多分生まれてくる子供を1年生かすことが目標です。

そうめんの食べ方の定番3つ

そうめんの季節、来てますね。

そうめんは夏の何もやる気のないときの昼ごはんに食べることが多い。そうめんを食べるぞーと思ったら、さあどうやって食べようか、と考えるのだが、だいたい大きく3つの食べ方がある。

1.そうめん×めんつゆ

一番やる気のないとき。そうめんを茹でる以外のことは何もしない。めんつゆを水で薄めて氷を入れて、ラー油垂らしたり、ごま油入れたり、胡麻ダレ入れたり、気分で入れることはあるけど、それくらい。それにつけて食べる。とりあえずお腹に入ればいい、と言う感じ。ある意味そうめんにも失礼な話である。

 

2.そうめん×ぶっかけ系

一番の定番はトマトぶっかけ。さいの目切りしたトマトをめんつゆにつけておいて、そうめんを茹でてめんつゆごとぶっかける。気合があればツナやきゅうりを入れたりする。みょうがをたっぷりかけてごまを振って食べるととてもうまい。ぶっかけは他にはめんつゆに酢と砂糖とごま油をちょっと入れて、そうめんにハムやきゅうり、卵の細切りしたものを載せてタレをかけて、冷やし中華風。めんつゆにコチュジャンを溶いて水で薄めたものをそうめんにかけて、ゆで卵とかキムチとかトマトを載せて冷麺風。どれも美味しい。

 

3.そうめん×あったかいつけ汁

豚肉と玉ねぎ、ナスなんかを炒め合わせて濃い目にめんつゆで味をつけてお汁を作って、冷たいそうめんをつけながら食べる。そうめんは冷たくツルッといくのもいいんだけど、やっぱりどうも腹にたまらない感じもあるけれど、具沢山のつけ汁で食べるとボリュームの調整も簡単だし、栄養も取れる。つけ汁は冷蔵庫の残り野菜とお肉で適当に作る。豆腐とか入れたり、みょうがを入れたり、何でも良いです。

 

そうめんって、味が値段に直結するので、おとなになった今は揖保乃糸が変えるようになって嬉しいです。安いそうめんは味ががくんと落ちるんだけど、ひやむぎは安くてもそこそこの味なので、お金がないときはひやむぎを買うと良いよ。

 

 

今週のお題「そうめん」

髪を染めたら、2ヶ月で昇進した話

今の会社に入って8ヶ月になります。最初はアシスタントエンジニアという肩書きで入ったのですが、入社して約3ヶ月で、“アシスタント"をとり、昇進してエンジニアとして働くことになりました。今日はその話をしようと思います。

 

私はこれまで農業系のコンサルタントとしてしばらく働いたのち、今の画像系を分析解析するスタートアップに転職しました。前職を辞めた後修士課程でプログラミングを含む画像解析を専攻したのですが、実務経験がなく、面接の時に「アシスタントエンジニアというタイトルで」と言われ、実務経験がないのに雇ってもらえるの、よかったーと思って、二つ返事で働くことを決めました。

入ってから、同僚外国籍エンジニアに言われて衝撃をうけたのが、「なんでアシスタントエンジニアなんかに甘んじているの?」という言葉でした。同僚はなぜ専門分野の修士号を2つ持つ私がアシスタントエンジニアとして採用されたのか不思議に感じていたようでした。私はそれに「開発経験もないし、知識もまだ少ないし、そもそもジョブディスクリプションの要件に達してなかったからかな」と答えたのですが、「スタートアップなんだから、みんなこの仕事に経験ないの当然でしょ」と言われてしまいました。私はなんだか恥ずかしいような、しょんぼりするような気持ちになり「私、自信ないんだよね…」と答えてその話は終わりました。

 

この話をしてから、心がザワザワして、目が覚めたような感じになりました。それまで、いかに”アシスタントとして”仕事をするかを考えていた自分に気づいて、それではいかん、と。肩書がアシスタントだと、周りは私にアシスタントとしての仕事を振ってきます。このまま自分の自己評価がアシスタントのままだといつになっても、アシスタントとしての経験しか積めないのではないか、と思ったのです。一刻も早くこの”アシスタント”に横棒を引いてさっさと消してやろう、と心に決めました。

そう心に決めたあと、私は「良い子ちゃんからは卒業しなければならない、不良になるのだ」と思い、すぐさま美容室の予約を取りました。これまでほとんど髪を染めたこともなく、できるだけ目立たず、女度を下げて、ド真面目に見られるような髪型ばかりだった私。日本企業で役所相手の仕事をしていたので、派手に髪を染めるのはNGだったんです。でも、ほとんどお客さんとも会わない仕事になって、フルリモートだし、どんな髪型でも文句を言われたりはしなくなったので、自分への約束のために、今までで一番派手な髪にしようと思いました。

オーダーしたのはインナーカラー、はっきりと入れていると分かるようにかなり明るい色をオーダーしました。インナーカラーなら、いつもはひとつ結びにしているので、変化はあまり他の人にはわからないし、万が一客先に出ることがあってもごまかせる、ということで。美容室の人には、「遅く来た反抗期って感じにしてください」と言ったら、はいよ!とブリーチも2回してくれて、好みの色に仕上げてもらいました。初めてその店に行ったのに、思い切ってきっちりと不良風にしてくれたのはありがたかった。たいがい、初めて行く美容室って、思い切った髪型にはしてくれないんですよね…。

 

それから、私は仕事でちょっと怖気づいたり、もじもじしたりするたび、インナーカラーを思い出し、「私は従順なだけの女じゃないぜ」と思い、意見を言ったりコミュニケーションを積極的に取ったり、新しい提案を書き、資料を作り、成果を出すようにしました。周りから見れば取るに足らないような変化で、しかもリモートだから誰にもはっきりと見えないように髪の毛の色を変えただけだったのですが、私にとっては自分を変える象徴のようなもので、実際にとてもうまく機能しました。

 

4半期ごとに行われる上司との振り返りの時に、私は思い切って上司に「あの、肩書をアシスタントエンジニアからエンジニアにするためには、何が必要でしょうか。どういうことをクリアすればエンジニアと名乗って良いですか?」と素直に訊ねました。上司は面談のあと少し時間をおいて、「あなたはすでにアシスタント以上のことをしているので、うちの部署としてはあなたのタイトルからアシスタントを取ってエンジニアと名乗ってもらっていいと考えている。部門長たちとも話をするので正式にはもう少し待ってほしいけれど、私達はあなたを評価しています」と丁寧に応えてくれました。その話があった数週間後、正式に「タイトルは自分で好きに決めてええで!」え!そんな感じ?軽!と驚きましたが、実質上の昇進にとてもうれしくなりました。

 

これまで仕事をする中でそんなふうにはっきりと何を目指したら良いのかを上司に聞いたことはありませんでした。そんなふうに訊ねるべきではないと思っていたからです。そういうことは全て自分で考えて目標を立てて、達成するものだと漠然と考えていました。でも、自分の考えた方向と部署や会社の目指している方向とがうまく噛み合っていなかったのでしょうね。評価も上がらなかったし、評価が上がらないことで、目指すべき方向がよく定まらず、成果が上がらないと言うループにハマってしまっていました。きっと上司も私がどうなりたいのか本音のところがわからず、どう指導していいものかわからず、その場で上司が思いついたようなぼんやりしたことしか言えなかったんだろうなあ。信頼関係を築く努力すらなんにもしていなかったんだなあ、と改めて思いました。 

 

実は今日も美容室に行ってきました。最近体の調子が悪かったのもあって、気分がとても落ち込んでいて、次の4半期面談が始まる時期でもあるし、気分転換しようと思い、肩下まであった髪をバッサリショートに切ってきました。前回のカラーも少し残って結構かっこいい感じになりました。今回髪型を変えたのはまた前回とはちょっと違う意味だったのですが、美容師さんと話しながら「今度はピンクに染めようかなあ」とか話をして、とても楽しくリフレッシュすることができました。髪はいつも自分の目につくパーツだし、自分をコントロールするために使うことができるんだなあ、と改めて思いました。

 

またねー

 

平日聞いているもの紹介

フルリモートで働いているので、ミーティング以外は何らかの音を流しています。

朝は聞き慣れた音楽か、図書館の音を流しています。

youtu.be

図書館の音はとても集中できるので好きです。大学院時代に図書館で勉強すると、周りにも勉強を頑張っている人がいて励まされたので、それを思い出しながら仕事をしています。

 

昼過ぎはちょっとぼんやりしてしまうので、だいたいSpotifyでKpopのプレイリストを適当に流していることが多いです。Kpopはちょっとテンポが早めでビートの効いた曲が多いので、ちょっと気持ちも上がります。何より、何を言っているかわからないのがいいですね。プログラミングしているときや、レポートを書いているときは日本語や英語の曲はどうしても頭の中で干渉してしまって、あまり生産性が上がらないのです。

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夕方は集中力が落ちるので、生産とかあまり頭を使わなくても良い事務仕事とかをしています。そういうときは耳がフリーになるので、オーディオブックとか、ポッドキャストを聞いたりすることもあります。おすすめを何個か貼っておきます。

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ジェーンスーさんと堀井美香さんのだらだらおばさんトーク。頭空っぽにして聞けるよ。毎週待ちきれない。

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ファッションに関するポッドキャスト。最近めっきり装わなくなったのですが、服は好きなので、面白く聞いています。

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5分前後でいろいろなことをおすすめしてくれる、ラジオワダ。あっさりした語り口で押し付けがましくなく、聞いていて楽です。貯めて一気に聞いています。

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仕事中には聞かないですが、犬の散歩のときとかによく聞いています。ものの見方がとても私に似ているので、いろんなことを言語化してもらってスッキリする感覚になれます。静かな語り口で落ち着きます。

 

皆さんのプレイリストもおしえてくださいね。

 

今週のお題「わたしのプレイリスト」

雨の日の一日

今週のお題「雨の日の過ごし方」

最近ジメッとしてますよね。これでこそ日本、ってかんじの湿度で、エアコンの除湿ボタンを押してしまいました。除湿機買おうかな。どれがいいですか、除湿機。

雨の日、雨の日は最高です。公に外に出ないで家にいていい日です。しかも最近はリモートワークなんで、雨の日はめんどくさいものではなくなりました。もちろんコロナは早いとこなんとかなってほしいけど。

 

雨の日は本を読みます。物語でもビジネス書でも専門書でもなんでもいいんですけど、雨の音を聞きながらページをめくるとどんどん集中していきます。オンデマンドで映画やドラマもいいですね。

あとはビールか日本酒を冷蔵庫にあるツマミで飲みます。飲んだら眠くなるので、犬と一緒に床で寝ます。犬と枕を奪い合って寝るのは至福のときです。起きたら夕方になっていて、私はやおら立ち上がり、電気をつけて夕飯を作り出します。

夕飯はかんたんなものです。冷奴とか。キムチとか。食べ終わったらお腹いっぱいになって、犬とまた床で寝ます。たまに本を読み、ケータイをチラ見したり、そうこうしているうちに、夫がお風呂を入れてくれるので、それに入り、洗濯もします。最近乾燥機つきの洗濯機を買ったから、雨の日でもほっかほかに乾きます。

雨の日はとても良いです。

体を休めたら、少し気持ちが広がって、また次の一日を過ごせるような気がします。(カビは嫌だけど!)